じゃあお願い、と快く任せてくれた椎名さんと交代して今度は私がパソコンに向かい、しばらく二人で別々に作業していた。
一つの区切りがつくと、背伸びをして私もコーヒーを飲む。
それと同時に、少し疲れた様子で息を吐き出した彼は、トイレに行ってくると言って部屋を出て行った。
……が、十分経っても戻ってこない。
「どうしたんだろ……」
少し心配になって、休憩室と厨房の間にあるトイレを見てみたものの、鍵も掛かっていないし電気もついていない。
人がいる気配がなく、いったい椎名さんはどこへ行ったんだろう、と首をかしげていた時。
ガチャリとドアが開き、本社ビルの廊下から椎名さんが現れた。
「あ、ごめん。ちょっとサボってました」
「サボり?」
「ん。これあげる」
そう言って彼が差し出したのは、見慣れたレース柄の淡いピンク色の袋。メルベイユの雑貨屋のものだ。
中を覗くと、可愛くラッピングされた小さな袋がいくつも入っている。
「これ……クッキー!? うわ、かっわいいー!」
「今、下の雑貨屋で買ってきたんだ。休憩しよう」
「はい!」
一気に元気になる私に、椎名さんは嬉しそうに笑う。
私のためにわざわざ買ってきてくれたんだ……と思うと、胸がキュンとしたりほっこりしたりで忙しい。
二色の生地がうずまきになったものや、ピンク色の花や蝶、色々な形のクッキーを大量に買う椎名さんの姿を想像すると、なんだかとっても愛おしくて笑みがこぼれた。
一つの区切りがつくと、背伸びをして私もコーヒーを飲む。
それと同時に、少し疲れた様子で息を吐き出した彼は、トイレに行ってくると言って部屋を出て行った。
……が、十分経っても戻ってこない。
「どうしたんだろ……」
少し心配になって、休憩室と厨房の間にあるトイレを見てみたものの、鍵も掛かっていないし電気もついていない。
人がいる気配がなく、いったい椎名さんはどこへ行ったんだろう、と首をかしげていた時。
ガチャリとドアが開き、本社ビルの廊下から椎名さんが現れた。
「あ、ごめん。ちょっとサボってました」
「サボり?」
「ん。これあげる」
そう言って彼が差し出したのは、見慣れたレース柄の淡いピンク色の袋。メルベイユの雑貨屋のものだ。
中を覗くと、可愛くラッピングされた小さな袋がいくつも入っている。
「これ……クッキー!? うわ、かっわいいー!」
「今、下の雑貨屋で買ってきたんだ。休憩しよう」
「はい!」
一気に元気になる私に、椎名さんは嬉しそうに笑う。
私のためにわざわざ買ってきてくれたんだ……と思うと、胸がキュンとしたりほっこりしたりで忙しい。
二色の生地がうずまきになったものや、ピンク色の花や蝶、色々な形のクッキーを大量に買う椎名さんの姿を想像すると、なんだかとっても愛おしくて笑みがこぼれた。



