【修一SIDE】


2月14日、午前7時半。

修一は、亜弥の家のチャイムを押した。
すると。
いつも亜弥が出てくる玄関から顔を出したのは、亜弥の母親。

「おばさん、おはようございます。亜弥は準備出来てますか?」

亜弥が出て来ないことを不思議に感じながらも、きちんと挨拶をする。

「あら、修ちゃん。
亜弥なら、もう学校へ行ったわよ。今日はやけに早いと思ったんだけど」
亜弥の母親が答える。
修一は驚いたが、亜弥の母親に笑顔を向ける。
「そうですか。
うまく時間の連絡がとれなかったみたいです。
じゃあ僕も、学校へ向かいます。
朝早くから、すいませんでした」
そう言って、学校へ向かう修一。

その胸には、不安しかなかった。