(――これで、顔を合わせるのに苦労はしないだろ?)

 ん?どういうことだろ?
 私の中に誰か入ってて、そしたら『顔を合わせやすくなる』とは?

 頭が上手く回っていないのか、どうしたらそういう結論になるのかが分かっていない。
 とりあえず、これから私の中に入っているのが誰か、ということを探って。
 それが分かれば、ようやくどうやってその人に会いに行くか、の順番で計画を練るべきじゃないのかな?

 どうしても分からなくて小首を傾げてみる。
 気分としては頭の上に『?マーク』でも浮かべるような感じだ。
 それを見て、隼人くんがまたしても呆れるような表情で説明を加える。

(あのな……これで『メールで外に呼び出す』ってことが簡単に出来るようになったんじゃないのか?)

――あっ! そうか!

 相手の正体を探ることにばっかり頭が行っていて、次の行動が楽になるとは全然考えていなかった。
 いや、物事を冷静に考えてくれる相方が居るというのは、本当にありがたいことで。

 なかなかに重要なことだよね。
 何せ、どうやって自分の身体と対面するか。
 これが当面の障害だったわけで、それが一気に解決するのだから。

――そっか、メールで呼び出すことが出来るんだよね!