どおりで、メイちゃんの前にイサヤの闇祓いをしようとした悪魔が、さっきからうちわで扇がれてたわけだ。

きっとさっきのメイちゃんとおんなじことがもっと早い段階で彼女にも起こったんだろう。
そして多分、イサヤのあのキスに耐えられなくなったに違いない。

だから闇祓いが途中でできなくなってしまって、メイちゃんに白羽の矢が立ったというわけか。

…というか、これはもうミカエル様、確信犯だし…。

チラリ、とミカエル様の顔を見たけど、今は思いっきりポーカーフェイスで素知らぬ顔を決め込んでらっしゃる。


いろいろな思いを飲み込んで、その場に居合わせた医師も看護師も、天使も悪魔も、メイちゃんに同情的な視線を送りつつ、闇が完全に消滅して再びスースーと静かな寝息を立て始めたイサヤを見て安堵した。

ミカエル様だけを除いては。