もしもし?私電話男です。

電話男の煽る声も耳には入らず。



電話boxを越えた先に江奈ちゃんがいる。俺が受話器を持ったまま立ち尽くしていると江奈ちゃんはどんどんこちらに近づいてきて



ついに電話boxの目の前に来ていた。



心臓の鼓動が加速していくのを感じる。ダメだ…デートのときは近くにいてもここまでなることはなかったのに。



もう訳が分からなくなっていた。



もしかしてまた電話男が仕組んだことなのか?



江奈ちゃんは開けてと口パクで言っている様だった。


手汗びっちょりの手で開けた瞬間



「もーう我慢できない!結局私が言うことになるのね。」



「ちょ…ちょっと待てって…」



「クリスマスに…デートしてくださいっ!!」



あぁ…俺の計画が崩れていく…



恋愛に慣れてきたと思ったけど、それはどうやら俺の勘違いだったみたいだ。



それにしても…



「近い…」



電話boxの狭い密室に顔が近い。一歩間違えれば…



キス…



江奈ちゃんもはっ!と気づいたよう恥ずかしそうにしながら、少し離れてから



「だっ…だから返事は?」



「はっ…はい。…江奈ちゃんどうしてここに…」



「来ちゃダメだった?」



白い息を吐きながら頬を赤らめて言うその行為に俺は為す術もなく



もう失神寸前だった。



「じゃあ…またね。」



そう言って江奈ちゃんは走り去っていってしまった。