あたしは千里と同様に
海を見つめた。


夏では味わえないほどの静寂。


とても幻想的で夏とは違うキラキラが
海を輝かせていた。


空も雲ひとつなく、
海と空が綺麗に水平線でわかれていて。


交わることのない海と空は
あたしの目には交わったように見えた。



「…キレイ…」



あたしは知らない間に口から声が漏れた。



「そうだろ?俺は冬の海が大好きなんだ。」



と、微笑ましく語る千里が可愛くて、
あたしは横から千里をギュッと抱きしめた。