あたしは結局メールを送らず、 布団にもぐった。 しばらくしてから、カチャカチャと、 鍵を開ける音が聞こえ、 千里が帰ったんだとわかった。 「…どうしよう…」 布団の中でボソッと呟いた。 いや、考えている暇はない。 今日のバレンタインは 今日しかないんだから……! ちゃんと渡そう。 キスは出来ないかもしれないけど、 ちゃんとチョコレートは渡そう。 面と向かって。 大切な千里だから。 とても大切だから…… また一緒に笑いたい。