「たぶん、小冬ちゃんが想像してる展開は合ってるけど、根本的な所が違うと思うよ。」

小冬は首をかしげる。

「それって?」

「教えなーい」

楽しそうにそう言うと立ち上がった。

Γおいで?トニックウォーターのおいしい飲み方教えてあげる。」






「あ~!楽しかった!」

「日、だいぶ伸びてきたね」

鈴実は大きく腕を伸ばしている小冬を見てから、空を見あげて言った。

時刻は18時を過ぎていた。

「そうだね。ねぇ、鈴実ちゃん。」

「なに?」

「上手く話そらしたけど、鈴実ちゃんの言ってた、"根本的に違う所″ってなんだったの?」

「あ、覚えてた?」 

「覚えてたよー!」

二人はくすくす笑った。

「もっと仲よくなったら教えてあげ……るかもしれない」

「そこは断定してよ!」

鈴実の肩を軽く小突く。

二人が分かれる信号機に近づいてきた。

「ねえ、またデートしてね」

気が緩んでいた小冬は思わずそう口走ってしまった。
心の中で姉を恨む。

少し肌寒い風が吹いた。

すると立ち止まった小冬の少し先にいた鈴実は振り返って言った。

「うん、またデートしてね。」

それじゃあ、と続けて青信号の向こうに駆けていった。

小冬は熱い頬をいつまでも冷ましていた。


初デート?後編END