「ああ、なに着ていこう!?」
小冬は自室のクローゼットとタンスの中にある服を全部ベッドの上に少々雑に放り出して、頭を悩ませていた。
それらの服は赤や黄色、緑と色とりどり……ではなく、どれもみんな似たような色をしていた。
どれも同じような色をしているということは、つまりなんにでも色が合うということだ。
それが災いしたのか、小冬は右手に持つ白地に紺の花が描かれたTシャツを、繰り返しベッドの上のスカートやらガウチョパンツやらに合わせて悩ませている。
スカートは膝下丈の紺の無地なもの、それとほとんど色味が同じでロング丈のもの、またまた同じ色味で今度はプリーツなもの……。
「なんだかどれもパッとしないなあ。」
そう呟くと小さなテーブルの上で携帯がなった。
Γ電話だ。」
相手を確認して電話に出る。
Γもしもし?」
Γあ、小冬。もしもーし。」
少し間延びした声。
「お姉ちゃん、久しぶり。」
子冬には6つ年の離れた19歳の姉がいる。
県外の専門学校に通うため、現在は実家を出て一人暮らしをしている。
小冬は自室のクローゼットとタンスの中にある服を全部ベッドの上に少々雑に放り出して、頭を悩ませていた。
それらの服は赤や黄色、緑と色とりどり……ではなく、どれもみんな似たような色をしていた。
どれも同じような色をしているということは、つまりなんにでも色が合うということだ。
それが災いしたのか、小冬は右手に持つ白地に紺の花が描かれたTシャツを、繰り返しベッドの上のスカートやらガウチョパンツやらに合わせて悩ませている。
スカートは膝下丈の紺の無地なもの、それとほとんど色味が同じでロング丈のもの、またまた同じ色味で今度はプリーツなもの……。
「なんだかどれもパッとしないなあ。」
そう呟くと小さなテーブルの上で携帯がなった。
Γ電話だ。」
相手を確認して電話に出る。
Γもしもし?」
Γあ、小冬。もしもーし。」
少し間延びした声。
「お姉ちゃん、久しぶり。」
子冬には6つ年の離れた19歳の姉がいる。
県外の専門学校に通うため、現在は実家を出て一人暮らしをしている。