「ここを降りるんだよ!」
私は、急な坂を指す。
「大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。」
いつもならスムーズに降りられる
「じゃあ、俺が先に行くよ。」
もうなにも思わず任せることにした。
先に降りて、私を抱っこするように受け止めてくれる
目の前には砂山トンネルの岩版があって、
そのトンネルは徐々に海面に近くなっていて
気持ちいい風が吹き抜けていく。
大人3人ぐらいが入れるようなスペースで
夏に寝転がると、暑さなんて忘れてしまうほど涼しい場所
「凄い…こんなとこあったんや。」
その言葉で私は嬉しくなった
そして二人で寝転がった。
あー何回来てもいい場所だなぁ…
危ないところが好きな私が偶然見つけた特別な場所
翔太楼くんと一緒に来られる日がくるなんてなぁ…
帰り道も、翔太楼くんがリードして、民宿に戻った。
どうやらもうそろそろ電車で帰るらしい
じゃあまたね!と、お互い笑顔でお別れした。
″また″はなかった。