嬉しくない…



彼女ならキュンと来たんだろう。

でも、私は彼女じゃないし



出来ることなら、そんな扱いしてほしくなかった。



昔のように…。と、思う私は我が儘かな





私は女で、翔太楼くんが男だって分かってはいる…


でも、そんなの忘れていたいのに。





男の翔太楼くんがいる。

私の知らない翔太楼くんが……




「みっちゃん……?」


不思議そうに、翔太楼くんが私を見ている




ダメダメ…。考え込んじゃだめ。





「ううん!ありがと!」



もう一度、険しい岩山を歩き出す


その隣を翔太楼くんも歩き出した。