-5分後-


賢「準備出来たぜ?」


「ありがとう」


さて、まずは氷水で濡らしたタオルを額にのせて…。


「薬と水頂戴」


雅「はい」


「ありがとう」


賢「何をするつもりだ?」


そう問われたけれど、薬を飲ませる方が先よ。


私は薬を口に含んで……


唯斗に口移しをした。


-ゴクッ


「ふぅ…」


今回は直ぐに飲んでくれて良かったわ。


雅「お前…。どうゆう事だ?」


ハァ…。めんどくさいわね。


「唯斗のこの熱は風邪じゃないわ。溜め込み過ぎたのよ。
今までにも何度かあったの。でも、唯斗は薬が苦手だから、口移しじゃないと絶対に飲まなかったの」


質問に答えながら私は、お粥を作っていた。


賢「慣れてんだな?」


「それは、どのことにかしら?」


賢「全てに、だよ。」


「当たり前でしょう。唯斗が記憶を失うまで、ずっと私がしてきたんだもの」


さぁ、お粥も出来たことだし。


「唯斗、起きれる?起きれるならお粥を食べてから寝ましょう?」


唯「う…ん」


「少しずつで良いからね」


唯「ん…」