「ごめんなさいっ。ごめんなさいですっ。」

ヘンな日本語を話すモエカの声が聞こえてくる。

相当痛いらしい。


「ごめん、ミイ。ちょっと、嬉しくって。」

「あ、ううん。大丈夫。」


戻ってきた圭くんはどうやら落ち着きを取り戻したみたい。


後ろで隠れるようにしているモエカを見ると、

痛そうにこめかみを押さえていた。


「…あれ、圭くん、手…」

視線を戻したとき、ふと目についた。


痛々しいほどに、真っ赤になっていた。