あたしは王城(オウジョウ)高校の校舎に入り、主事さんらしき人に校内の、地図をもらった。
それを辿り四階にある理事長室の前にやって来た。

思った以上に広い校舎に苦戦しながらも・・・。


「失礼しまーす」

返事も聞かず、つい開けてしまった。
相手が相手なだけに


「おいおい、ノックしろよ。
まぁ、ようこそっ王城へ!!」



思ったより似合っている赤色のダテメ。
前まで金髪ぽかった髪も今では黒色だ。

耳についていた左右合わせて五個のピアスも数は二つに減り、シンプルな物に変わっていた。
数ヶ月ぶりの再開なのに、変わりすぎた見た目に少し戸惑った。


ホストっぽい雰囲気はまだ残っているけれど・・・。



「ゆうさんテンション高いよ。 久しぶり」



引き気味で言ってもお構いなしのゆうさんはタバコを灰皿にこすりつけた。


ゆうさんはあたしのパパの親友でお母さんとも友達だった。


そんなパパもママもこの世にはもういないけど・・・。
そんな縁があってか、あたしの親のように世話を焼いてくれていた。

いきなりの電話にも二つ返事で了承してくれた。


あたしは理事長室に入りソファに座る。


ゆうさんはオフィスチェアから立ち上があり、あたしの向かいのソファに腰を下ろした。