…あ、あの温厚だった、新谷さんが…。
物凄い低い声で、呻いてるぅ。
め、目付きが、高木だぁっ。
これって、柳沢一族の血?
まあ、あれだけヌケヌケシャアシャア言われちゃあ、頭にくるのもわかるけど。
けど、何にも知らない国民は、騙されちゃうよね、ああいう言葉に。
とんだ狸おやじだな、東郷って。

それから、私たちは、人混みに紛れて、夕方まで嵐山にいた。
天龍寺も団体客に紛れて見れたし、念願だったイケメンアイドルショップにも行けちゃったっ。
新谷さんは、

「こんなの買って、どーするわけ?」

って、不思議顔だったけど。

そして日が暮れてきて、私たちは、ホテルに向かった。