「何でもいいでしょぉ?あんたには関係ないじゃん!手、離してって。」






また前を向き、男と向き合う。







「確かに俺には関係ないよ?でも、こんな君を放っておくほど腐っていない。」







は?





……何それ。






「そんなの自己満足じゃん。今、あんたがしている行動によってあたしがどれだけ傷ついているか分かってる?」






あたしが笑顔で言った途端…少しだけ、掴まれている腕の力が緩んだ。






その隙をついて、腕を振り払い逃げようとする。






でも…。






「逃がさないよ」






また、この男によって腕をつかまれてしまった。






「……放っておいてくれればいいじゃん。あたし、誰にも迷惑かけてないし。」






ほどけないことが分かっていても、男の力には勝てないことは分かっていても、抵抗はする。




すると…。






「お前、調子のってんじゃねーぞ」






爽やか男ではない声が聞こえた。





動きを止めて、その声の方へと顔を向ける。






そこには、怒っていることを隠そうともしない…金髪がいた。






「龍翔…」






「諷都(ふうと)、離してやれ」






金髪の指示を聞いて爽やか男はあたしの腕を離し、後退してあたしから距離を置いた。