本当に安心する。
咲哉君は本当に暖かい。
もう、咲哉君だけはあたしから離れないで。
ずっと、こうして抱きしめて___。
「咲哉君…。好き」
無意識のうちにぼそっとそう呟いていた。
今まではどこか…悲しかった。
色んな男と騒いでも、遊んでも、何をしても。
あたしは悲しかった。
そんなことでしか温もりを手に入れることが出来なくて。
でも、手に入らなくて。
そんな自分なんてバカらしかった。
それに比べ、咲哉君とはこうするだけで満たされる。
この安心感が「好き」って感情なんでしょ…?
「……莉々香。」
でも、咲哉君は………あたしとの間に壁を作った。


