そして何であたしが日課になった倉庫で期末テストのために必死に勉強しているかというと。






このテストで赤点を取ると夏休みに補習を受けに学校へ行かないといけないらしい。







そんなの無理。いや。絶対イヤ。







あたしの夏休みを奪われてたまるもんですか、という決心で勉強を始めようとした。








しかし、






「………はぁぁぁぁ。もう、わかんないよ………」










全ての教科で挫折。









あたしの重たいため息に、顔をさっきから引きつらせていた瑞樹がビクリと大げさに反応する。








そんな瑞樹の手には、見た目に似合わず分厚い数学の参考書。









どうやら数週間前から計画的にコツコツと勉強していたらしい。なんてことだ。本当に不良なのかと疑いたい。









もう一度ため息をついて、放り投げた英語を取りに行こうと立ち上がった。









一週間で、間に合うわけない範囲の広さ。









もうなんでこんなに鬼畜なの……。楽そうな高校を選んだはずなのに何で……。









そういえば、と過去の学校の進学率を見ると…就職する生徒が多いものの。大学へと進学している生徒たちはかなり名の通った大学へ合格していたことを思い出した。