「だあああああっ!わっかんない!!」









手に持っていた参考書をバッサーと後ろに投げつける。









壁に当たった音がしたが気にしない。よし、英語はやめて次は国語をしよう。










そう思って以前まで財布とスマホしか入っていなかったスクールバッグから国語の教科書を取り出した。











「………り、莉々花ちゃん。せめて拾おうよぉ?」









範囲ってどこだっけ……と、思ってペラペラと真新しい教科書をめくっていると、ふとかけられた声に顔を上げた。










「瑞樹、あたし今必死なんだからちょっと黙ってくれる?」










ログに座り込んでローテーブルの上いっぱいに広げた全ての教科の教材に瑞樹は視線を向ける。










「い、いや…。そんなに散らかしてると諷都が何ていうか……」









「いーじゃん別にっ。もう期末テストまであと一週間なんだからそれどころじゃないの!!」











そう、今日は期末テストのちょうど一週間前だ。