「……っ、はぁ」










龍翔を寝室らしきところまで運びベッドに投げ捨てるように寝かせ、あたしはそのまま力尽きて床に寝転がった。












「……きっつ」










あーーーー、と両手をぐっと伸ばす。










ぜぇぜぇと上がっている息を落ち着かせ、ゆっくりと体を起こした。










龍翔はベッドの上でうつ伏せに辛そうに寝ている。














「…龍翔、龍翔。……もう」










龍翔の肩を力いっぱい押して、とりあえず仰向けに寝かせた。










きれいな顔が顔いっぱいに歪んでおり、額には大粒の汗が浮かんでいる。












「……っ、ぅ…」










ただしんどそうに唸っている。










………あたしが来なかったら、ずっと一人で辛い思いをしていたんだろうか。









玄関には龍翔の靴と思われるものしか置かれていなかった。









つまり、一人暮らしか何かだと思う。












この寝室だけでも小ざっぱりとしすぎている。










大きな部屋なのにどれだけのサイズかわからないけど大きなベッドが置かれているだけで、ほかに目立ったものはなくて。










苦しそうな龍翔はどんな気持ちだったのかと、思わず考えてしまった。











スーパーの袋の中から熱冷まシートと体温計とタオルを出す。









汗を拭きとって、熱冷まシートを剥がし、龍翔の金色の前髪を手で押さえ貼り付けた。










冷たいのか、かすかに体を揺らす。









見ているこっちが辛くなるような苦しみ方。









スウェットを着ているので少しだけ胸元を肌蹴させ、体温計をわきに突っ込んだ。











色目かしい鎖骨がのぞく。










それをなるべく視界に入れないように心掛ける。










視線を少し上に逸らすと、じっとりと首筋にももちろん汗をかいていて、なるべくやさしく汗を拭きとった。