そしてあたしが倒れてから一週間後_________。











呼吸困難に陥ってから、一日入院してあたしは何の問題もなく退院した。








気づかぬうちに意識を失っていたようで、起きたときには諷都くんが色々対応してくれた。








ちなみになぜか病院に保険証を提示する必要はないと言われ、かなり心にあった重たいものが取れたのは確かだけど。













そしてそんなあたしは……ちゃんと、ここ数日は学校に通っているのだ。












「さっくやくーーーーーんっ!」










咲哉くんにうざ絡みするために。









様々な葛藤があったはずなのに、あたしが倒れた日からはなぜか咲哉くんに会いたい気持ちが気まずい気持ちなんかを押しのけてしまっていて。











「………おい、抱き着くなって」









咲哉くんに構ってもらえることがあたしの最近の幸せだ。







どうしちゃったんだろうな自分。







でもそんなことを考えても何も分からなくて、大量にあった遊び相手の連絡先は全て真っ白に消去した。








ただあなたの笑顔が見れるだけであたしまで笑顔になれる。









そんな、以前では考えられなかった幸せな日々。













「あたしに抱き着かれて嬉しいでしょー?」









「ホント、お願いだから離して…」










ちなみに暴走族のところへは放課後毎日通ってる。







でもつまらないだけで、特に何か起こるわけでもない。









瑞希くんはじーっとあたしの顔を見てくるだけだし、諷都くんは雑誌読んでるし、メガネくんは永遠とパソコンをカタカタとやっている。











龍翔には、一切会わない。










一度どうしたのかと聞けば、倉庫にはいるらしいけどずっと総長室に籠っているそう。








あたしはメールする相手も電話する相手も自分で消しちゃったから、ただぼーっとするだけ。









メールや電話は来てるんだけど、全て削除。










………こんなに暇で寂しい思いしてんのに何やってんだろ自分。









後悔は多々するけれど、それも倉庫にいる間だけだ。










学校にいる間…咲哉くんといる間は、スマホなんて存在は消え去っている。