莉々香side* ツーンとする臭いが鼻を刺す。 そして次に感じたものは息苦しさ。 まどろみを抜けてゆっくりと目を開いた。 ……………何だろう。 目の前が霞んでいる。 そして体も、頭も、異常なほど重たい。 ただあたしは、ぼーっとしながら天井を見つめていた。 「…………」 静かな空間に身を任せ、まぶたが少しずつ落ちそうになった時。 「 莉々香……? 」 耳に残るような、甘く掠れた声が聞こえた。