「あの、サラさん…。冬夜を聖龍の倉庫まで行かせてくれませんか?今すぐに冬夜が必要みたいで…」 本名は唯華と言う彼女だが、そう呼べるのは限られた人間。 後の人間はサラと彼女の事を呼んでいる。 『……聖龍って?』 「あー、俺が副総長してたところです」 『ふーん、了解。その代り咲哉くんあたしに借り一で、咲哉くんもそこに来てよ?』 「……はい」 『んじゃ、切るからねーっ』 思ってもみなかった相手との電話に、苦笑いをこぼす。 そして車のキーを取りに行くために、職員室へと急いで向かった。