よく耳を澄ますと、キャーキャーと悲鳴のようなものも聞こえた気がする。
……まぁ悲鳴あげるほどではない気もしないこともないけど、中には結構なイケメンもいるもんだし。
あたしが一歩歩き出すたびに、ざっと道ができる。
それを見て少し気分がよくなりながらも、周りに適当に笑顔をばらまく。
よし、あんな安い言葉で身の安全が確保できるなんてなんてバカな奴らなんだろう。
普通はだから何?と冷たいお言葉が返ってきそうなものの。
自分ではどん底まで覚めた。
だめだ、もうたぶんこの人たちと会うことはないだろう。
帰ったらアドレス整理しよう。
そんなことを思いながらも視線を一身に浴び、女王様気分を味わう。
こんな経験なかなかない。
そんなことを思いながらも超ゆっくり歩いていると、さらに悲鳴が聞こえる。
……あれ?
……何か違和感。
前はまだ男たちが立っていて、道ができていないから見えていない。
そしてかすかに聞こえた声に。
「瑞希くぅん!」「諷都ーーーーーっ!」「雷くんっ!」
………なんのためらいもなく回れ右をした。
そしてそのまま一気に駆け出す。
え、嘘。
あれってもしかしないでも暴走族!?
やめてって。
嘘でしょ。
でもだんだん大きくなる悲鳴は確実に嘘ではない。


