「ねぇ……。莉々香ちゃんってさ、何だろうね?」
号泣してしまった莉々香ちゃんを抱きしめてからしばらく。
結局は彼女が落ち着いてからその時間は終わった。
そしてタイミングよく龍翔達が帰って来て。
龍翔と彼女はいったん総長室に戻り、一時間ほどして彼女が制服姿で出てきた。
そして彼女を下の奴らに送らせて、俺ら幹部はいつものソファーでまったりと。
そこには昨日いなかった遼もいる。
遼は…こっぴどくいろんな人に文句を言われたり怒られたりしていた。
まぁそりゃそーだ。
たかが自分の一時の感情で毒牙との争いから逃げたんだから。
今回は大ごとにならなかったから良かったものの、下手すれば俺たちが負けていたかもしれない。
幹部はそれほど重たい役職だ。
「……諷都、誰に言ってんの?」
「……あー、なんとなく。特に誰でもない」
俺の独り言に近い言葉に反応してきたのは、瑞希。
「なんだそれ」
「………なんか俺、自分でもよく分かんないわ」
莉々香ちゃんがどういう子なのか。
あれだけ嫌いだったのに。
今日の印象が強烈過ぎた。
「筋肉フェチとか、何だよそれ」
今度こそ誰にも聞こえないようにボソッと呟く。
「諷都がついにおかしくなった……」
明らかに怪訝な顔で俺を見ている瑞希を完璧無視し、自分の考えに集中する。
あれは色々やばかった。