「……………さっき、自分から抱き着いて来たんだから今更拒否らないでよ?てか、もうこれから優しくするのこれっきりだからね?俺、莉々香ちゃんのこと大嫌いだから」 なに、言ってんの? と思った時。 ふわり、と香りが香った。 あたしが嫌いじゃない香り。 それと同時に温もりも届く。 「抱きしめてあげるからさ、早く泣き止んでよ。俺、泣かれるの苦手なんだって」 「ふうと、くっ……、」 諷都君が、あたしを抱きしめた。