~D*A doll~







……なんか、この数日スッゴイ忙しいな。







転校するわ、転校先で色々心抉られるわ、暴走族とかに目をつけられるわ、或斗に誘拐されるわ、極上の体を見つけるわ。







濃すぎる。






もうだからこの先は薄くていいかも。







普段通りの日常で。









……あたし、変わることが大っ嫌い。







何も変わってほしくない。







少しでも変わったことがあるとなんだか悲しくなる。







別に数日前までの孤独を埋めようと必死になっていた毎日でいいから、あれがあたしの日常だから、明日からも変わることなくそれを送り続けないと……不安だ。







その日常を送ることも不安。







その日常じゃない日常を送ることも不安。







どっちみち、不安な人生。







やっぱり自分の人生カスイな、なんて思いながらも携帯を見るともうメールが50件も溜まっていた。








「…早いよ」







あまりの男の返信の速さにちょっと引きながらもメールチェック。






これまた変わった内容はなし。







[暇な日あったら遊ぼうねっ♡゛]






今送られてきたメールに一括で返信。






するとまた直ぐに帰ってくる20件のメール。







いやいや、早すぎるって。







乙女?







そんなくだらないことを思いながらも、今度はちょっとめんどくさいけど1件ずつ返していく。







それでも直ぐに返信が来る20件。







「……やめた」







エンドレスに続きそうな男たちとのメールに嫌気がさし、画面が傷つくのも考えずポイッとそこらへんに投げる。







壊れたら新しく出たやつ買おー、なんて薄情なことを思いつつも携帯の存在がなくなったことによって暇になってしまった。






……あたしって我儘だな、なんて考える。








自分で携帯ポイッてしたくせに暇感じるとか。






我儘じゃなくて馬鹿なのか。








フッと笑みを漏らしながらもベッドにうつ伏せになる。







……龍翔どこ行ってるのか帰ってこないし。






諷都君とは今会ったらダメな感じだし。








他はどうなってるのか知らないけど、多分いないと思うし。