思い立ったらすぐ実行。
別に男の前で裸になることなんて慣れてるからほとんど抵抗ないし。
「諷都君…ちょっと離れて?」
小さくそう呟くと、ゆっくりだけど諷都君は力を弱めてくれて。
あたしは諷都君の上から抜け出し、自分のスウェットに手をかけた。
「は?」
という戸惑っている諷都君を無視して…あたしはバサっと脱ぎ捨てた。
でもブラをしてあるから、上半身裸ではないけど。
そしてそのまま諷都君に抱き着く。
すると……諷都君は固まってしまった。
まぁそれが普通の反応だろうな、なんて思いながらも諷都君の肌と自分の肌を密着させる。
ヤバイヤバイヤバイっ。
もう完全に頭のいかれてしまっているあたしと、あたしの馬鹿な行動に固まってしまっている諷都君。
「え、り、莉々香ちゃん…?」
「……もうちょっとだけ」
諷都君の首筋に顔をうずめて、片手で鎖骨を撫で、片手で腹筋を撫でる。
……あたし、諷都君のこと好きになれるかも。
なんとも裏のありすぎる理由であたしは諷都君に、前みたいな嫌悪感を一切感じなくなっていた。
いいし、別に。
諷都君の肉体美は誰にも負けないとあたしが保証するし。


