今ならその偽りの笑みにぽーっと見惚れてしまう。
そしてコクっと頷くとニッコリと微笑まれ、そっと腕を掴まれた。
「こっち。」
そして諷都君はさっき自分が出てきた扉を開ける。
……ここ?
そしてあたしはゆっくりと諷都君の部屋へと入って行った。
「俺たち幹部には一人一人部屋が用意されてて。」
諷都君はそう説明しながらも、大きめのベッドに腰掛ける。
……あたしもそっと隣に座ってみた。
まぁ他に座るところないし。
総長室よりかは狭い気もするけど、それでも十分広い。
周りを見ていたあたし。
そんなあたしに諷都君は…。
「ねぇ、まだ?」
耳元でそっと問いかけてきた。
ゾクリ、と体に痺れが走る。
……やばい。
そっと諷都君の方を向くと、やっぱり満面の笑顔を浮かべていて。
あたしはそっと、諷都君のお腹に手を伸ばした。


