焦りに焦りまくっている咲哉君。
そして、壁際まで下がってしまった。
「咲哉君…もう、壁なんですけどぉ」
あたしは冷静に、咲哉君に伝える。
それでも心はまだ騒がしい。
「え?おっと…!わりぃー!」
そして、咲哉君はばっとあたしの方へと向き距離をとった。
でも、そのことによってあたしの存在は……彼らにはっきりとばれてしまった。
「………え?この子って……櫻井、莉々香……?」
どうやらチャラそうなやつは、あたしの事を知っているらしい。
「い、いや!違う違う!!遼、こいつは莉々香なんかじゃねーぞ!」
「は?だから咲哉、さっきからどうしたんだよ?その子は莉々ちゃんだろ。」
苦しい言い訳をする咲哉君と、それを呆れた目で見る理事長、そしてあたしをガン見する4人。
理事長はあたしの退学の事なんて頭の片隅から追い出したようだ。
もう既にすがすがしい顔をしてやがる。
「櫻井莉々香…僕も聞いたこと…あるかも」
そして咲哉君の努力も空しく、背の小さい人もあたしの事に気づいた。
……そっか、咲哉君はあたしの事を隠したいんだ。
さっき話してくれた暴走族……?だっけ?
って、この人たちのことかもしれない。
イケメンだし。
……あれ?
なら同じクラスってこと?
でも明らかに一年生って風格じゃない。


