「………分かり、ました…。俺は…何も見てません。それが、先代である咲哉さんの願いなら。」
雷…。
「助かる…。俺、帰るわ…。学校の仕事もあるし…な。…龍翔達にもそう伝えといてくれ。それまで…莉々香を、頼むな。」
先代である俺と、憧れの今の総長である龍翔との板挟みにされてしまった雷。
心では凄まじい葛藤が繰り広げられているだろうな…。
…本当、ごめん。
俺の無責任な行動のせいで…悪かった。
俺はそっと莉々香の方を向き、莉々香に毛布をかけなおしてやる。
…莉々香。
もう俺はお前に何もしてやれない。
龍翔を、頼れ。
沢山の人に温もりを求めても、そんなものに価値は無い。
莉々香…。
莉々香の寝顔を見て力なく微笑むと、そっとベッドから立ち上がった。


