「……瑞希。来たんなら声ぐらい掛けてよ?」
諷都の言葉に、ハッと我に返る。
「諷都…。莉々香ちゃんが…、莉々香ちゃんが……。」
「分かってる。毒牙から連絡が来たよ…。櫻井莉々香を拉致ったから毒牙の倉庫に来いってね?」
「……どう、するの?」
「もちろん龍翔の指示に従うよ?」
龍翔……。
龍翔だけは、莉々香ちゃんの孤独に気づいていてて欲しい。
そんな願いを込めて龍翔を見つめる。
「俺は……毒牙に乗り込む。前から毒牙を潰す予定だったからちょうどいい。雅、情報を出来るだけ集めろ。諷都は下の奴らに連絡。いちよう100人の収集をかけてあるから直ぐに用意をさせろ。瑞希は……咲哉さんを呼びに行け。」
……龍翔。
よかった…。
莉々香ちゃん…お願いだからもう少しだけ我慢して。
直ぐに、助けに行くから。
僕がキミを……守るから。