そして倉庫へと着いた。
焦りで足が絡み、うまく走れない。
息が上がる。
「あ!瑞希さん!どうされたんすか?」「瑞希さん!さっき雷さんが何か言ってましたよ?」「あと、咲哉さんから連絡入ってましたので伝えといてください!」「総長命令でメンバー集めたんっすけど、100人いればいいですかね?」
聖龍のメンバーが僕に対して何かを言っているけれど、そんな声さえも耳に入らない。
莉々香ちゃん……。
どうか、こんな哀れな僕たちに……せめてもの償いをさせて。
せめて、助けに行くことぐらい許して。
慌てて階段を駆け上がり、部屋へと入る。
でもその光景に僕は……唖然とするしかなかった。
呑気にパソコンをいじっている雅、そして眠たそうに雑誌を読んでいる諷都、そして無表情の龍翔。
莉々香ちゃんが今、殺されているかもしれないのに?
……お前たち、何なんだよ。
莉々香ちゃんの事を何も気づいていない癖に。
ただ、そんな3人に僕は声を発することも出来なかった。
ただ、ずっと憧れてきた聖龍が、ずっと尊敬してきた龍翔が……酷く霞んで歪んで見えた。