ゆっくりと扉の方を見ると、扉は跡形もなく粉々になって周りに散らばっており…。
龍翔があたしを、あの力強い目で見ていた。
「り、莉々香ちゃんっ!!」
そしてチビの焦った声も聞こえる。
………何なのよ。
今更心配?
もうすべてが遅い。
或斗もドアの方を見ている。
「……テメェ。莉々香に何してんだよ?」
龍翔の低く、威圧感のある声。
でも、あたしも或斗も怯んだりなんかしない。
今のあたしたちは全裸ではなくギリギリ服を着ている。
まだヤッてはいない。
でもあたしは制服のシャツのボタンは全部外れていて、ブラが全開。
或斗も服が大きく肌蹴ていてベルトを外している。
それでベッドでこんな姿勢でいたら“何かあった”と思うだろう。
それでも誤解を解く気なんてさらさらない。
どれだけ最低かが本当に良く分かった。
それにあたしに何かあっても本当に悲しむことなんて聖龍はするはずがない。
だからあたしは…。
こいつの肌蹴ているシャツをぐっと引っ張り……少し頭を上げ、キスをした。
深く、深く…。
聖龍に見せつけるように。
こいつもキスを返して来て、舌をからめる。
互いの体温が溶け合う。
この状況が状況なのか、いつも通りなのか、心地いいとも何も感じない。


