そして次に目を覚ませたところは……。
ベッドの上だった。
一瞬、自分の家だと錯覚するが……違う。
家じゃない。
それに、聖龍の倉庫にあった部屋でもない。
ここってどこ?
頭がうまく働かず、天井を見ながらぼんやりとしていると……。
異常な色の手形がついている、手が目に入った。
……あ。
それを見て勢いよく起き上がる。
思い出した。
あたし、あいつに気絶させられたんだ…。
それで、ここに連れてこられたんだ。
……そっか。
チビや聖龍の人達が言ってたことってこの事かもしれない。
このまま殺されちゃうのかな…?
でも、あたしはそう思っても先ほどのような恐怖感は感じていなかった。
ただ無力感だけ感じていた。
どうせ、何もできない。
この先の孤独を考えれば…今死んでも何も怖くはない。
どうせ死にたかったから、いいや。
ここはベッドが置かれているだけの小さな部屋。
もちろん扉もついている。
でも、この後あいつにされるであろうことも分かっているのに逃げる気も、怯える気もなかった。
ただ、現実を受け止めてるだけだった。


