そう言って手は離された。
それと同時に、あたしは全身の力が抜けて地面に座り込む。
荒い深呼吸を繰り返す。
そして手を恐る恐る確認すると……紫に変色した痛々しい手形がくっきりとついていた。
「お姫様って手も細いし、顔も綺麗だしいいよねぇ…。全て壊したくなるよ。キミの全身を俺の手で壊したいね。その腕のように僕の印をつけてあげるよ?」
こいつは……異常だ。
体の震えが激しくなり、涙で視界が歪む。
もうヤダ…。
誰か…誰か…助けて……。
「まぁ、キミは男好きで有名だからね…。もうちょっと純粋な方が良かったのにー。でもいいや。とにかく、お姫様には僕の所に来てもらわないと。」
そしてあたしは抵抗も出来ないまま、何かで口を押えられ…。
ツーンとする臭いとともに、意識を遠のかせた。


