「ちょ、咲哉くぅーん!手ぇ痛いって!!そんなに引っ張らないで!走んないで!」







……無視ですか。







さっきから結構な距離を走ってきて、息も上がっているのに止まってくれない。






足の長さがそもそも違うし、あたし走るの遅いし、なんと階段も走られたから死にそうだ。






そしてまた少し走って……やっと理事長室についた。







……デカくね?







どーんと構えられた大きな扉。






威圧感が半端ない。







…理事長室って理事長がいるところだよね?






あたし、何か言われるのかな?






男遊びはするなとか?







様々な考えを張り巡らせていたが、咲哉君がバーンと扉を勢いよく開けて、中に入って行ったので恐れながらもあたしも続いて入って行った。






「おい!あの呼び出しは何なんだよ!!」







扉から入ると、そこには大きな部屋があり、黒いソファーと、その目の前に高級そうな机と一人掛けのでっかい椅子があり理事長と思われる人がそこに座っていた。







「まぁ、咲哉。落ち着け。俺だって早く真相を知りたいんだっつーの!」





「…こっちはわざわざ走って来たんだっつーの。」




「うん、お疲れ。で、例の転校生は?」






咲哉君くんを軽々と交わしている理事長と思われる人。







咲哉君と仲良いのかな?






…って、転校生ってあたしのこと?






咲哉くんの方をチラッと見ると、こっちへ来いと言われたので理事長の近くへと寄った。







そして、その理事長の顔を見た途端___。