諷都side*





「莉々香ちゃん!!」






慌てて莉々香ちゃんを追いかけようとしている瑞希。







……あんな子、放っておけばいいのに。







「瑞希。もうあいつが決めたことだ。お前は関わるな。」







すかさず龍翔が止めに入る。







「龍翔!莉々香ちゃんが拉致られたらどうするんだよ!!」







……瑞希。







口調が変わってるよ。







そこまでして莉々香ちゃんって守る価値のある子?







ただ可愛いだけじゃないか。







で、自分が一番可哀想と思い込んでいるただのバカ。






そこらへんの女の子と何も変わらないよ。






まぁ、姫の権利を放棄したことは驚いたけど。







「瑞希…。お前が必要以上に関わるともっと被害が大きくなる。」






「被害って…。龍翔が言ったんじゃないか!女一人守れない族を作ってるんじゃないって!!」





「莉々香が望まないのなら話は別だ。今は好きにさせておけばいい。下手にお前が関わって莉々香に必要以上の危険が及んだらどうするんだよ?んなもん、今はそっとしておいた方がいい。」






「龍翔…。莉々香ちゃんが本当に死んだらどうするの!?望まなくても狙われていることには変わりがないんだから!!どうせ僕が今更莉々香ちゃんに関わらなくても何も変わらないよ!!総長の龍翔との写真が出回っているんだから!!!!」






……あぁ、もう。






大きな声で叫ぶ瑞希。






瑞希、うるさい。