あれ?
言葉間違った?と、沈黙を破るための言葉を探していたとき。
ちょうどタイミングよく放送がかかった。
「えーっと、咲哉ぁー早く理事長室に来いよーー!!以上!」
……あれ?
咲哉?
って、咲哉君のこと?
「咲哉君、放送の咲哉って咲哉君?」
ややこしいことを言ったな、と思いつつも目の前の咲哉君を見ると心なしか少し顔面蒼白に見える。
「やっべ…ちょ、莉々香!今から理事長室行くぞ!!」
この焦りようから、どうやら呼び出しの咲哉は咲哉君だったようだ。
「……は?なんであたしまで?」
「とにかく行くんだ!!早くしねーと殺される!」
……え?
まだ咲哉君が何を言ったかも理解できていないのに、手をグッと引っ張られて理事長室へと向かった。


