「何、それ…。姫とか、何の話よ。」





散々泣いたから声が上手く出ない。





かすれてしまった声だ。






「姫って、知らないの?」






隣にいる瑞希があたしに聞く。








「知るわけないじゃない…。姫なんて。」






その言葉に瑞希や諷都君は少し驚いた表情を見せている。







……姫ってお姫様の事?







「姫って言うのはねぇ…。僕らの大切な人なんだ。」