そして暫くたった。 あたしも涙は引き、心が少しは軽くなった気がした。 …でも、少しだけ。 「…消せました。でも問題点が一つ。櫻井莉々香は…聖龍の姫として情報が広まってしまっています。こればかりはどうにも…。」 ……姫? あたしが社長の娘という事よりも……姫?って噂が広まってるの…? その事実に少し安心する。 「……それは…さすがにマズイな…」 それでも、諷都君の声は重たくて。 「姫」として噂が広まったことは安心できないんだという事を悟った。