そして…。
「龍翔、遅れてきてすみません」
メガネの男がやって来た。
あたしが大泣きしているのにもかかわらず淡々と諷都の隣へと座り、持ってきたパソコンを開く。
龍翔はその2人の向かい側のソファーに移ったが、チビだけはあたしの隣にいてくれた。
龍翔が隣からいなくなると素直に寂しかった。
「雅、電話で話した通り…このサイトを消してほしいんだ」
諷都君は諷都君のパソコンの画面を見せる。
「……これですか。消せることは簡単ですが……広まっているので今更消しても効果は無いかもしれません」
「…それでも、消さないよりかはマシだ。後、そのサイトを作った奴を調べろ」
「…龍翔。分かりました。」
メガネはチラッとあたしを見てからパソコンをカタカタと打ち始めた。
……なんだろう。
まだ涙も止まらないし、悲しいし、寂しいし、辛いし、誰かを求めているけど…。
何とも言えない感情が、あたしを包んでいるような気がした。


