人見知りをするタイプで口下手。


人付き合いが悪く、友達を作ることが苦手。


クラスの打ち上げやお食事会は必ず欠席。



―――そんな私は、故郷を離れ、他地方の大学へと入学した。
理由は大したものではなく、ただ違う土地の空気を吸いたかっただけだ。あとこの大学は親を納得させるだけの知名度もあった。


だけど、大学は広く、田舎の高校を卒業した私には何もかもが新鮮だった。

道に迷い、右も左も分からない私に声を掛けてくれたのは優しい、優しい、あなただった。



「新入生だよね?どうしたの?」



口下手な私は、確かその時、笑顔で声を掛けてくれたあなたに対して大した返事は出来なかったと思う。

いきなり知らない人に声を掛けられ、戸惑ったということもあるが、それ以上に私みたいな地味な存在に声を掛けてくれる人が居るということに驚いたのだ。