「ごめんね、わざわざ集まってもらってあらたまったかたちにしちゃって。」
千樫のほうはみたくなかった。
きっと千樫も同じきもちだろう。
いつもはそういうわたしたちに気をつかってくれる譲も、今日はそんなそぶりを見せなかった。
「俺、1年間留学するんだ」
え?
わたしと千樫は同時に譲の顔をみた。
譲はわたしたちのことをまっすぐ見つめていた。
「留学って、いつからだよ?」
「伊澄の誕生日が過ぎたくらいからかな。」
「急すぎるじゃない。 そんなことなんでもっとはやく言わないのよ。」
譲は口をつぐんだ。
言葉をゆっくり選んでいるようだった。

