今日の授業が終わると、千樫が譲を連れて買い換えたばかりのケータイを自慢しにやってきた。
「なにがすごいって、これカメラがすごいわけ。
もうデジカメかよってくらい綺麗なの。」
じゃあ試してみようよとかなんとかいって、4人で写真を撮ることになったのだ。
でもそれに結伊は不機嫌になってしまって、あからさまに拒否をした。
「俺今日はやくかえってやんなきゃなんないことがあるんだって。」
「いーじゃんいーじゃんすこしくらいさー! 俺のケータイに残しておきたいだろ! もうあと2ヶ月もしたら俺たち3年なんだぜ」
残るから写真は嫌なんだ。
ちいさなちいさな声で結伊が確かにそう言ったのをわたしはいまでも覚えている。
その日の夜、結伊は自分の家で静かに死んだ。

