「今日だけ、でしょ?」 わたしが微笑むと結伊も笑う。 街灯の頼りない光に 小さな虫たちが近寄ったり離れたり忙しそうに飛び回っていた。 そうなんだけどさ、 彼は左手で後頭部を触った。 「でもずっと思ってたことなんだ。」 おかしくなりそうだよ 頼りない光に浮かぶ結伊の顔は 苦しそうで、申し訳なさそうで、泣きそうで わたしはどうしていいのかわからなくて、彼の頭を包み込むように両手を伸ばして彼の耳に触った。