結伊の顔が近づいた。 わたしは赤い頬のまま、彼から顔をそむけた。 でも結伊はそんなわたしを逃がすことはせずに、 頬を撫でて、両手で引き寄せた。 「今日だけだから」 くちびるにかかる結伊の言葉がくすぐったかった。 祭りばやしも、花火の音も遠退いてしまった。 伊澄、伊澄 わたしのくちびると結伊のくちびるの間で 結伊は何度もわたしの名前を呼んだ。