君の青い車で海へ行こう


おいてきた何かを見に行こう ……





オーディオから流れるスピッツがそこまで歌い上げたところでぼろっと、



鱗が剥がれていくように涙がながれた。



車は風を切ってビュンビュン進んだ。


小さく開けた窓から流れる風が潮風にかわるのがはっきりわかったのだ。



ああ、結伊の生まれた場所はもう近い。