「わたしがみた最期の結伊はほんとにこれだけよ。」
彼女は振り返ってそうわたしたちに言った。
彼女の笑ったかおは笑顔にも、泣き顔にも見えるから不思議だった。
「どうして結伊は自殺したんだと思いますか」
千樫がそう質問すると、彼女は唇だけ笑って
海のほうを向いた。
「さあねえ。
でも結伊は違う道を選んだって感覚だけだったのかもよ。
人間にはさ、生きる道と死ぬ道もしかしたら2つの選択肢があるかもしれない。
結伊はただその片方を選んでみただけだったのかもよ。」
大江さんは笑いながら泣いていた。
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