「結伊は死ぬ直前、秋くらいかな、にこっちに帰ってきていたわ。
その時もなにもかわりないように見えた。
結伊の昔の話は高杉のおじいちゃんから聞いているんでしょう?」
わたしたちはうなずいた。
彼女は先を歩いて話を続けた。
「帰ってきたときにね、あなたたちの話をしていたわ。 高校では気のあうともだちもいてって。
たぶん、実家にも帰って母親にも会ったんだと思う。
でもどういう話をしたのかなんて知らない。
まず、どうして結伊が急に帰ってきたのなかんかわからなかった。
もう一生帰ってこないとおもってたから。」
ふふ、っと大江さんは笑って
足元の波を蹴飛ばした。

